AdamLilithが2枚目となる配信アルバム『Lilith』をリリースした。前作『Adam』とタイトルを合わせるとグループ名が完成する対の構成で、『Adam』リリース以降に発表した全5曲を収録している。
各トラックレビュー
M1. Vertigo
M1「Vertigo」(ヴェルティゴ)はゴシックメタル由来の荘厳なチャーチオルガンによるリフレインが印象的なEDMトラック。タイトルはラテン語で「目眩」を意味する。歌詞は前作収録「Malum」などと共通する、旧約聖書モチーフの宗教色が色濃い内容となっている。作詞作曲の凪ヤナリは主にボカロPとして活動しているコンポーザー・ギタリストで、HEROINESへの提供はこれまでにi-COL「ホシツナギ」がある。
2025年に入ってから既にライブで披露されている最新曲で、今回が初の音源化。振付はメンバーの響羽リズが手がけており、夜宵やむ演じる主により命を吹き込まれた3つの存在が儀式を執り行うように円舞を舞い、やがて再び主により活動を停止するまでの様を描いたストーリー仕立ての構成となっている。
M2. Mariage
M2「Mariage」は、昨年9月から10月にかけて東名阪を周った2周年記念ワンマンツアー《MARIAGE》の冠ナンバー。ツアー初日の大阪公演でお披露目された後、今年2月リリースの『HEROINES ALBUM 2025』でAdamLilith初のフィジカル音源化。さらに初となるミュージックビデオも制作され、代表曲の1つとなっている。
作曲はAMAMOGU・大関隆志、作詞はAMAMOGUが手がけており、いずれもiLiFE!やナナコロビヤオキなどHEROINES楽曲を多数手掛ける作家である。
ドラマチックなストリングスのフレーズとK-POP由来の低音ブラスが印象的なトラックに流麗な歌メロが乗り、東名阪ツアーのコンセプトとなっていた仮面舞踏会や「Mariage」(混ざり合い調和すること、また、結婚)というタイトルのイメージを表現している。