HEROINES所属の4人組・Illが改名再デビュー1周年を記念したワンマンライブ《アナタがみてイル、ワタシがワタシ。》を開催した。前身のtwinpaleから改名、3人体制での再スタートを経て4人体制へと移行し初めての大規模ワンマンライブとなった本公演。本稿ではその模様をレポートするとともに、Illというグループの現在地に迫る。
Spotify O-EASTの広いステージの前面いっぱいに張られた半透明スクリーンに巨大なIllのロゴが表示されている。今回のライブのために特別アレンジされたSEとともにスクリーンに投影された立体的な映像が観客をライブの世界へと引き込み、その向こうにスポットライトに照らされたメンバー4人が登場する。Ill始まりの1曲である「ジェラ」のイントロと共にスクリーンが落とされ、会場のボルテージが一気に上がる——HEROINES所属の4人組・Illのデビュー1周年を記念したワンマンライブ、《アナタがみてイル、ワタシがワタシ。》の幕開けである。
Ill
imaginateの女性アイドルグループプロジェクトHEROINES所属の4人組。YouTuber「叶と姫乃」、悲撃のヒロイン症候群のメンバーとして活動した蒼井叶、白雪姫乃の2人によるユニットtwinpaleとして2021年に結成。2024年12月にIllに改名。 紫ノ色、森緑藻を加えて4人で活動中。
twinpaletからIllへ、先鋭化されたゴシック×可愛い
1つ目のブロックではIllとしての代表曲「ジェラ」、twinpale時代からの代表曲「ショートケーカーズ」など、強力な楽曲を序盤から惜しみなく披露していく。アーバンギャルド・松永天馬提供による「ぼくたちは失敗」も4人体制バージョンとして再構成され満を持して復活し、旧くからのファンを喜ばせた。
冒頭、衣装のマントを忘れて登場してしまったという白雪姫乃がマントをまとって再登場し、自己紹介MCを挟んで披露されたのは新曲「ヴィランだって構わない」。死神をイメージして制作された1周年記念新衣装に身を包んだ4人のメンバーがゴシックに、かつ可愛らしく舞う。
twinpaleといえば松永天馬のプロデュース曲を筆頭として、ダークでダウナーなイメージと可愛らしさを両輪とする楽曲が持ち味であったが、Illに改名して再スタートして以降、「病」のモチーフでゴシック・ダークな方面が強化されたことによってそのコンセプトがより先鋭化されている。「ワンピース心中」しかり、「ゴステリック」しかり、このブロックは特にそうしたダーク×可愛いの魅力を体現したナンバーが連投された。
このコンセプトの舵取りにおいて、Illに改名する際に加入した新メンバー・紫ノ色(しきのしき)の果たした役割は大きい。加入当初からそのビジュアルとキャラクターにより「叶と姫乃」の強力なシンメトリーを崩すことなくピッタリとハマり、見事な三位一体を完成させてみせたという印象であった。さらにここに来て、歌唱面において大きな成長が見てとれるのも特筆すべきところ。「ジェラ」や新曲「ヴィランだって構わない」、「ゴステリック」のようなゴシック・ダークを押し出した楽曲においては特に、感情を込めた艶のあるボーカルが光っている。