今回は、ヒロシンの最初の1年間の活動を順を追って振り返り、その活動実態をまとめていく。
悲撃のヒロイン症候群が2018年12月に結成を発表し、2019年2月にライブデビューするまでの経緯については既に連載の中で説明してきた。また、前回はさらにその活動の中でヒロシンがどのような価値観を提示し、どのようにしてポジションを築いていったのかという観点から論考を加えた。本稿ではそんなヒロシンの実際の活動内容について見ていこう。
最初期の活動と女性ファンへのサービス
デビューからいきなり新宿BLAZEでの主催公演、しかも満員と順調なスタートを切ったヒロシンであるが、実は最初の2か月ほどのライブ活動は一般的なライブアイドルの基準からいけばかなり抑制的である。お披露目主催ライブ《舞踏会》(2月19日)の次のライブ出演は3月10日で、3月のライブはそれを含めて3回。さらに4月の主催や対バン出演も含めてほとんどが新宿BLAZE(800人規模)や恵比寿LIQUIDROOM(1,000人規模)でのライブであり、デビュー2か月ながら、ライブ数を絞って主催公演を中心に規模の大きいライブだけに出演するという中堅グループ相当のブランディングを行なっている。
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2018/12/15 | 結成を発表・グループ情報公開 |
| 2019/2/19 | お披露目ライブ「舞踏会」でデビュー |
| 3/10 | 対バン出演(LIQUIDROOM) |
| 3/10 | 籠乃めあ加入を発表 |
| 3/24 | ♀♀♀(主催女性限定ライブ) |
| 3/28 | 対バン出演(O-EAST) |
| 4/1 | 舞踏会vol.2 |
| 4/6 | 対バン出演(名古屋・初遠征) |
| 4/22 | 対バン出演(新宿BLAZE) |
| 4/26 | 対バン出演(新木場STUDIO COAST) |
| 4/28 | 対バン出演(白金高輪SELENE b2) |
注目すべきは3回目のライブでいきなり女性限定主催公演《♀♀♀(メッサ)》を開催している点で、やはり初動からの女性人気の高さが窺える。
前回の内容では触れきれなかったが、ヒロシンひいてはHEROINESグループの女性ファン層が厚い要因の一つとしてライブイベントにおける積極的な女性優遇措置が挙げられる。女性限定エリアの設置、女性限定公演の開催に加え、主催公演の多くで安価な女性限定チケットが設定されており、女性ファンのライブ参加ハードルを下げつつ一度ついたファンを逃さない基幹戦略となっている。
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デビュー早期での新メンバー加入と姉妹グループ結成
現在まで続くHEROINESグループの大きな特徴として、グループ結成やメンバー加入といった変化がめまぐるしいことが挙げられる。2025年に入ってデビューしただけでも4グループ+研究生1チーム、新メンバーを加えての体制変更を入れればそれ以上と短期間で非常に数が多い。脱退・卒業や加入の繰り返しはファン心理の疲弊を招くため諸刃の剣でもあるのだが、ポジティブな面を捉えるならばスピード感を持って程よく新しい情報・刺激を入れ続けることはグループ運営にとって大事なことであろう。
そしてこの風潮は創始グループである悲撃のヒロイン症候群においても当てはまるものである。お披露目から数えてわずか2回目のライブと同日に新メンバーとして籠乃めあ(かごの めあ)の加入を発表。さらに籠乃のお披露目となる4月1日の《舞踏会 Vol.2》では姉妹グループとして「妄愛グラビティ」、「MOBIUS(メビウス)」がデビュー。ヒロシン結成前の2018年11月17日にデビューし、ヒロシン活動開始当初は一時活動休止中であった「鵺(ぬえ)」も含めてimaginateの女性アイドルグループは一気に大所帯となった。
* 妄愛グラビティはiLiFE!の実質的な前身グループ。MOBIUSは同じくTENRINの実質的前身である。また、鵺の元メンバーである朔蘭はのちにLADYBABYが体制一新・HEROINES所属となった際のデビューメンバーとなる。
籠乃めあの加入にあたっては全メンバーのアーティスト写真を更新しており、最初のアーティスト写真はほぼ結成発表からお披露目公演までの期間のみの使いきりとなった、という思い切ったビジュアル戦略もまたヒロシンらしいところである。
