新体制新曲「LV」「Parabora」に見る攻めのRingwanderung
少し時期は戻るが、2024年11月にリリースした「LV」(エルヴィー)がこの5人体制で最初の楽曲。そして今回「春の楽曲祭」第六弾として5月13日に発表された「Parabora」が2曲目の新曲となる。「LV」では1番Bメロの篠田百音のアグレッシブな歌唱が続くサビへの流れを推進すると共に曲全体の表情を決定づけており、さらに2番Bメロ後半の辺見花琳のソロの攻撃的なフレージングはこれまでのどの曲でも見せてこなかった新たな表情である。4人体制は緊急的なものだったこともあり、グループを守り先に繋げていくための活動となっていた(とはいえ、ワンマンの規模を落とすことなく、新曲も3曲出しているのだが)。しかし篠田を迎え入れたことで、既存のメンバーもより挑戦的な表現を開拓できるようになり、幅が広がったと感じる。
そしてその新機軸がさらによく表れたのが最新曲「Parabora」だ。歌い出しから篠田の歌声で始まり、クールな表情を見せる辺見に繋ぐ。攻撃的な印象のサビも最初のソロパートは篠田の担当だ。寺尾や増田の柔らかめの歌声も攻撃性との対比を強化する方向に働いており、そして最後はやはり抜群のインパクトを持った佐藤の声が決める。それぞれの声の性質や得意な表現がパズルのピースのようにピタリとはまり、単純な合計値以上の戦闘力が引き出されている、そんな感覚を覚えるのが今の新生Ringwanderungなのである。