3周年を迎えるMerry BAD TUNE.待望の全国流通盤。タイトルはfuture(未来)をサプリメントの愛称「~ミン」のように造語したものと思われ、「6mg」の方はメンバー6人をそれぞれ1mgずつの含有量に見立てたものになっている。フューチャーポップを標榜するばちゅんの夏らしい爽やかな1枚で、インスト含めたトラック数も6になっている。
「HPSNC.」は疾走感あるオルタナロックサウンドにセカイ系的な歌詞が爽やかな“ばちゅんの王道”とも言える楽曲。タイトルはHypersonic(ハイパーソニック、極超音速)と読み、代表曲SPNV.(スーパーノヴァ、超新星)に連なるともとれるモチーフだ。
「Chu 2 SICK」は磯野涼がばちゅんへ初提供。こちらは「厨二病」をもじったタイトルで、共作のガムエイが担保するばちゅんらしさと磯野サウンドの化学反応が楽しめる。
「13月のシンデレラ」は明確に夏フェスの野外ステージを見据えた、爽快さと切なさを兼ね備えるエモーショナルな一曲。肩を組んでシンガロングするフロアが目に浮かぶようだ。
グループ名の由来と思われる“メリーバッドエンド”*1の対義語ともとれ、グループの前身にあたる「ワールズエンド。」も想起させる「めりーはっぴーえんど。」は、ブラスサウンドが華やかにあしらわれたスカパンク調の作品。
*1 バッドエンドでありつつ、寄って立つ視点や受け取り方によってはハッピーエンドともとれるような結末のこと。
「SAKANA」ではファンタジックな比喩を伴う歌詞をボーカルエフェクターやデジタルなサウンドエフェクト、スケールの大きいメロディーラインが鮮やかに演出している。