2022年6月結成。グループ名は消毒液として用いられるマーキュロクロム液に由来。劇団東京グランギニョルや漫画「ライチ☆クラブ」のコンセプトに影響を受けた耽美主義的なビジュアル・クリエイティブとヴィジュアル系のサウンドを特色としている。
経歴
2022年6月、6人組としてステージデビュー。8月に雅楽代カミテが加入し7人組となる。結成1年で渋谷O-WEST、恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブを開催。LIQUIDROOM公演からは生バンド編成のライブも行っている。
2023年10月、主宰レーベル「サークルライチ」の設立を発表。自身に次ぐ「第弐期生」グループとして姉妹グループ3組が結成された。11月の《関東ツアー『失楽園』ファイナル》(東京・O-EAST)では虚飾集団廻天百眼をゲストアクトに迎えて「芝居構成」のライブを開催。
2024年6月にはデビュー2周年記念公演としてZepp DiverCityワンマンライブを開催。8月28日、自身初のホール公演《残酷劇『赤マント』》をLINE CUBE SHIBUYAで開催。9月11日にメンバー芥タマキが脱退し6人組となる。2025年春には全国ツアー《生バンド単独巡業『また明日、僕達の☆倶楽部で』》を開催。企画としてメンバーらによる生バンド演奏を披露。
ショートレビュー
地雷系メイク・ファッションに身を包み生きづらさに寄り添うダークな歌詞を歌うグループは、悲撃のヒロイン症候群のブレイク以来マーキュロ以前にも例があるが、定期公演や主催対バンライブを精力的に行い、近しいコンセプトを持ったグループと交流を持つことで「界隈」「シーン」といったものを形成することに尽力してきたグループはマーキュロをおいて他にないのではないだろうか。活動当初半年ほどは出演するライブも王道系のかわいらしいグループの中にマーキュロだけぽつんと放り込まれたようなイベントが多かったのだが、主催ライブ《グラン・ギニュルー》《東京絶対帝都》で類似したコンセプトのグループを集め、さらにはマーキュロフォロワーとも言うべき立ち位置の新興グループも誕生し始めたことで、マーキュロを中心とする大きな流れが出来上がった。そしてその流れの最たるものが主宰レーベル「サークルライチ」の姉妹グループたちの存在だ。マーキュロは活動の足場を自分達の手で強かに築き上げたのである。メンバーら自身も同系統のグループを指して「マーキュロ系」と言われることがあるとの実感をインタビューで語っている*1。
楽曲は「罰愛罰愛」「無稽の啼泣」などアンダーグラウンドなモチーフを扱ったドラマチックなもの、「絶望セカイ」「suicidose」と激しく盛り上げるもの、「存在証明」「ツギハギ」などアイドルらしいファンとの絆を思わせるものなど多岐に渡りつつも、一貫したコンセプトのもとに独自の世界を作り上げている。 (円本 実)
*1 https://www.visunavi.com/2025-02-02/23593/
メンバー